SESは案件を選べない?希望が通らない理由と後悔しないための対処法

SES

「SESに入ったら、営業から紹介された案件は断れないの?」

「AWSの仕事がしたいのに、監視や運用の案件しか紹介されなかったらどうしよう……」

「希望と違う案件でも、我慢して働くしかない?」

SES企業への転職を考えていると、こんな不安が出てきませんか?

僕自身、29歳・IT未経験からSES企業へ転職し、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートしました。

最初に参画したのは、オンプレLinuxのリプレース案件。詳細設計やパラメータシートの作成、構築、データ移行などを経験しました。

その後もインフラの仕事を続け、現在はAWSなどのクラウド環境にも携わっています。

そんな僕がSESで働いて感じたのは、「どんな案件に入るか」で身につく経験が大きく変わるということです。

例えば、同じインフラエンジニアでも、監視を中心に担当する人と、サーバーの構築を担当する人では、日々の仕事内容が違います。

だからこそ、案件選びは軽く考えない方がいい。

僕は、SESで働くなら、希望する案件に入れるかどうかだけでなく、希望が通らなかったときに会社がどう対応してくれるかまで確認するべきだと考えています。

この記事では、SESで案件を選べない理由と、希望と違う案件を紹介されたときの対処法を解説します。

これからSES企業へ転職する方は、入社前に確認しておきたいポイントも参考にしてください。

1. SESは本当に案件を選べないのか?

結論から言うと、SESだからといって、必ずしも案件を選べないわけではありません。

ただし、自分の希望だけですべてを決められるわけでもないんです。

SES企業では、営業担当が取引先から案件情報を集め、エンジニアの経験やスキルに合う案件を探します。

その後、本人の希望や取引先の条件などを踏まえて、配属先が決まるのが一般的です。

つまり、エンジニアが「この案件に入りたい」と希望しても、必ずその案件に参画できるとは限りません。

一方で、最近は「案件選択制」を採用しているSES企業もあります。

複数の案件を提示し、エンジニア本人の希望を確認しながら配属先を決める仕組みです。

ただ、ここで注意したいことがあります。

「案件選択制あり」と書いてあるだけで、自由に案件を選べると思わないこと。

例えば、次のような違いがあります。

もちろん、複数案件を提示できるかどうかは、その時期の募集状況や本人のスキルにも左右されます。

大切なのは、制度があるかどうかではなく、実際にどう運用されているかです。

入社してから後悔しないためにも、この違いは知っておきましょう。

2. 希望する案件に入れない3つの理由

「AWSの案件を希望しているのに、なぜ違う仕事ばかり紹介されるんだろう?」

そんなとき、原因は一つとは限りません。

営業担当との認識のズレもあれば、会社が保有している案件や、自分のスキルが影響している場合もあります。

ここでは、代表的な3つの理由を紹介します。

理由①:営業担当に希望が正しく伝わっていない

SES企業では、営業担当がエンジニアのスキルシートなどをもとに案件を探します。

ただ、営業担当がすべての技術に詳しいとは限りません。

例えば、あなたが、

「将来的にはAWSの設計・構築を担当したい」

と考えていたとします。

ところが営業担当には、

「AWSに関係する案件なら何でもいい」

と伝わっていたらどうでしょうか。

AWS環境の監視や定型的な運用が中心の案件を紹介される可能性もあります。

もちろん、監視や運用の経験が無駄というわけではありません。

ただ、本人が希望している仕事内容とは違いますよね。

だからこそ、希望を伝えるときは、

「AWSの案件に入りたい」だけで終わらせないこと。

例えば、

「現在はLinuxの運用経験があります。今後はAWS環境でEC2やVPCの設定、サーバー構築などを経験したいです」

と伝えた方が、営業担当も案件を探しやすくなります。

技術名だけでなく、どんな作業を経験したいのかまで伝えるのがポイントです。

理由②:会社がエンジニアの稼働を優先している

SES企業では、エンジニアが案件に参画することで売上が発生する契約が多くあります。

そのため、会社としては待機期間を短くしたいと考えるのが自然です。

ここで、エンジニア本人の希望と会社の事情がぶつかることがあります。

例えば、

あなたはLinuxの構築案件を希望している。

しかし、会社がすぐに紹介できるのは監視案件だけ。

営業担当から、

「今はこの案件しか紹介できません」

と言われたら、どう判断すればいいでしょうか。

生活もありますし、いつまでも待機できるとは限りません。

一方で、希望と違う仕事を続けることに不安を感じる人もいるはずです。

ここで大切なのは、会社の事情を理解することと、自分の希望を諦めることは別だということ。

すぐに希望案件へ入れない場合でも、次の案件に向けた相談ができる会社なのか。

その点を確認しておきたいところです。

理由③:会社が紹介できる案件に限りがある

どれだけ希望を伝えても、会社がその案件を扱っていなければ紹介してもらえません。

例えば、AWSの設計・構築を希望していても、会社が保有しているのが監視・運用案件中心なら、選択肢は限られます。

また、SES業界には複数の企業が関わる商流もあります。

元請け企業から二次請け、三次請けへと仕事がつながるケースです。

商流が深いからといって、必ず希望案件に入れないわけではありません。

ただ、取引先との関係や契約条件によって、紹介できる案件の種類が限られる場合もあります。

そのため、入社前には、

  • どんな案件を多く扱っているのか
  • インフラの設計・構築案件はあるのか
  • AWSなどのクラウド案件はあるのか
  • 未経験者が実際にどんな案件へ入っているのか

を確認しておきましょう。

「案件が豊富です」という説明だけで判断しないことが大切です。

3. 案件を選べる会社と選びにくい会社の違い

SES企業を探していると、「案件選択制」「希望を最大限考慮」といった言葉を見かけることがあります。

もちろん、希望を聞いてもらえるのは魅力的です。

ただ、僕ならその言葉だけで会社を決めません。

実際にどのような流れで案件が決まるのかを確認します。

案件を選びやすい会社の特徴

例えば、次のような会社です。

  • 複数の案件を比較できる機会がある
  • 営業担当が希望する技術や工程を理解している
  • 配属前に仕事内容を詳しく説明してくれる
  • 希望と違う案件について相談できる
  • 配属後もキャリア面談を実施している
  • 資格取得や技術学習を支援している

特に確認したいのは、希望と違う案件しかなかったときの対応です。

複数案件から選べると説明されても、実際には紹介できる案件が1件しかない時期もあるでしょう。

そんなとき、会社がどう対応してくれるのか。

ここに、エンジニアへの向き合い方が表れると思います。

案件を選びにくい会社の特徴

一方で、次のような状況には注意したいところです。

  • 案件の詳細を教えてもらえない
  • 希望を伝えても理由なく却下される
  • 配属後のキャリア相談がほとんどない
  • 案件を断る場合のルールが不明確
  • 希望する技術を扱う案件の実績が少ない
  • 待機中の給与や扱いについて説明が曖昧

ただし、これらに一つ当てはまるだけで悪い会社と決めつける必要はありません。

例えば、紹介される案件が1件しかなくても、その案件が希望に合っている場合もあります。

反対に、10件紹介されても、希望と関係のない案件ばかりでは意味がありません。

案件数だけでなく、仕事内容と会社の対応をセットで判断すること。

僕は、ここが重要だと考えています。

4. 希望と違う案件を紹介されたときの対処法

「希望と違う案件を紹介された。でも、断っていいのか分からない…」

SESで働いていると、こうした悩みを抱えることもあると思います。

僕なら、いきなり転職を考えるのではなく、まず次の順番で対応します。

対処法①:営業担当に希望を具体的に伝える

最初にやることは、営業担当との認識を合わせることです。

例えば、

「この案件はやりたくありません」

とだけ伝えても、なぜ希望に合わないのか分かりません。

そこで、

「今後はAWSの設計・構築を経験したいと考えています。今回の案件ではどのような作業を担当できますか?」

と確認してみましょう。

仕事内容を詳しく聞いた結果、希望していた技術に触れられる可能性もあります。

反対に、希望と大きく違うと分かることもあるでしょう。

その場合は、

「将来的にどんな仕事をしたいのか」
「今回の案件では何が経験できないのか」

を整理して伝えることが大切です。

希望条件は、メールなどで共有しておくのもおすすめ。

営業担当との認識のズレを減らせます。

対処法②:希望と合わない案件は再検討を相談する

仕事内容を確認したうえで、どうしても希望と合わない場合は、再検討を相談する方法もあります。

例えば、

「今後はLinuxの構築経験を積みたいと考えています。今回の案件は監視業務が中心と伺ったため、ほかに構築に関われる案件がないか相談させてください」

という伝え方です。

ただし、希望と違うという理由だけで、どんな案件でも自由に拒否できるとは限りません。

雇用契約や就業規則、会社との合意内容などによって扱いは変わります。

また、何度も案件を断れば、会社との関係に影響する可能性もあります。

だからこそ、感情的に断るのではなく、仕事内容を確認し、理由を整理したうえで相談することが大切です。

対処法③:改善しない場合は転職も検討する

営業担当へ相談しても状況が変わらない。

希望する案件が会社にほとんどない。

今後のキャリアについて話し合う機会もない。

そんな状態が続くなら、転職を検討するのも一つの方法です。

例えば、現在の会社では監視案件が中心でも、別の会社ではLinuxの構築やAWSの運用・設計に関われる可能性があります。

ただし、転職すれば必ず希望案件に入れるわけではありません。

次の会社でも同じ悩みを抱えないよう、案件の決まり方や配属実績を確認することが重要です。

また、実務経験がある方なら、フリーランスという選択肢もあります。

ただし、フリーランスでも案件の受注が保証されるわけではなく、営業活動や収入の不安定さなどを考える必要があります。

未経験者や経験の浅い方は、まず実務経験を積みながら選択肢を広げる方が現実的でしょう。

5. 入社前に確認しておきたいポイント

ここからは、これからSES企業へ転職する方に向けた内容です。

僕自身、29歳・未経験からSES企業へ転職しました。

実際に客先常駐を経験して感じたのは、入社前に仕事内容だけでなく、配属後の環境も確認しておくべきだということ。

特に、同じ職場に複数の会社の人がいる場合、誰に相談すればいいのか分かりにくいこともあります。

だから今なら、次の項目を確認します。

入社前の確認チェックリスト

すべてを一度に聞く必要はありません。

まずは、自分が譲れない条件から確認してみてください。

特に聞いておきたい質問

僕なら、次の質問をします。

「希望と違う案件しか紹介できない場合、どのように対応していますか?」

この質問なら、案件選択制の実態を確認しやすくなります。

例えば、

「本人の希望を確認し、ほかの案件も含めて相談します」

という回答なら、希望をすり合わせる仕組みがあると考えられます。

一方で、

「基本的には会社が決めた案件に入ってもらいます」

という回答なら、案件選択の自由度は低い可能性があります。

ただし、回答だけで判断せず、実際の配属事例も聞いてみましょう。

「最近入社した未経験者は、どんな案件に入っていますか?」

この質問もおすすめです。

制度の説明より、実際の配属例の方が参考になる場合があります。

6. 希望案件に近づくためにできること

ここまで、会社側の事情や案件の選び方について紹介しました。

ただ、希望する案件に近づくために、自分でできることもあります。

僕は、会社に希望を伝えることと、自分のスキルを高めることを並行して進めるのが大切だと考えています。

① 希望する案件に必要なスキルを勉強する

例えば、AWSの設計・構築案件に入りたいと考えているなら、AWSのサービス名を覚えるだけでなく、ネットワークやLinuxの基礎も重要です。

具体的には、

  • IPアドレス・サブネット
  • ルーティング
  • Linuxの基本操作
  • AWSのVPC・EC2・IAM
  • セキュリティグループ

などから勉強してみましょう。

すでに実務経験がある方なら、TerraformやAnsibleなどの自動化技術を学ぶことも選択肢になります。

ただし、資格や技術を勉強すれば必ず希望案件に入れるわけではありません。

大切なのは、希望する仕事内容に必要な知識を調べ、少しずつ身につけることです。

② 実際に手を動かして経験を増やす

参考書を読むだけでなく、自分で環境を作ってみるのもおすすめです。

例えば、

  • Packet Tracerでネットワークを構築する
  • WSLやVirtualBoxでLinuxを操作する
  • AWSでVPCやEC2を作成する
  • GitHubに学習内容をまとめる

といった方法があります。

ただし、AWSなどのクラウドサービスは利用状況によって料金が発生するため、事前に料金を確認しておきましょう。

また、学習で作った環境と実務経験は別です。

面談では、実務で経験したことと個人学習で取り組んだことを分けて説明することが大切です。

③ スキルシートを具体的に書く

SESで案件を探すとき、重要になるのがスキルシートです。

営業担当や案件先の担当者は、スキルシートを見て、どんな仕事を任せられるか判断します。

そのため、

「Linux経験あり」

と書くだけでは、担当した仕事内容が伝わりにくいことがあります。

例えば、実際に経験しているなら、

担当案件:オンプレLinuxのリプレース

担当工程:詳細設計・パラメータシート作成・構築・データ移行

と記載した方が、経験が具体的に伝わります。

僕自身、最初の現場ではLinuxの詳細設計から構築、データ移行まで経験しました。

同じLinux案件でも、どの工程を担当したのかによってアピールできる内容は変わります。

スキルシートでは、次の項目を整理しておきましょう。

  • 使用したOS・ミドルウェア
  • 担当した工程
  • 実際に行った作業
  • 自分が担当した範囲
  • 作成した資料や成果物

大切なのは、経験を大きく見せることではありません。

実際に何を担当し、何ができるのかを正確に伝えること。

ここを意識して書いてみてください。

④ 営業担当とキャリアプランを共有する

最後におすすめしたいのが、営業担当との定期的な情報共有です。

例えば、

「将来的にはAWSの設計・構築を担当したい」

という希望があるなら、そのために今どんな勉強をしているのかも伝えてみましょう。

  • 現在できること
  • これから経験したいこと
  • 勉強している技術
  • 希望しない勤務条件

この4つを整理するだけでも、営業担当へ希望を伝えやすくなります。

希望を一度伝えて終わりにするのではなく、スキルや考え方が変わったタイミングで更新していく。

そうすることで、案件探しの方向性を共有しやすくなります。

まとめ|SESで案件を選べないと感じたら、まず理由を整理しよう

「SESは案件を選べない」

そんな話を聞くと、不安になりますよね。

ただ、すべてのSES企業で案件を選べないわけではありません。

希望を反映しやすい会社もあれば、会社の事情が優先されやすい環境もあります。

今回紹介した内容を整理すると、次のとおりです。

僕自身、29歳・未経験からSES企業へ転職しましたが、会社を選ぶときは、入社後にどんな経験を積めるのかを確認することが大切だと感じています。

「今の会社では希望する案件に入れない」「これからSES企業への転職を考えている」という方は、未経験からインフラエンジニアを目指すための勉強方法や、会社選びのポイントも参考にしてみてください。

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